来年度の募集が始まりましたが、慈光幼稚園は令和2年4月より、幼稚園型認定こども園に移行する予定です。すでに保護者のみなさまには、説明会などでおしらせをしていますが、諸事情によりブログでのおしらせが遅くなりました。また、保護者の方の中にも、こども園にかわることについて、ご質問や少しご不安などがある方もおられるようですので、ご説明をさせていただきたいと思います。
平成27年4月に『幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていくため』という目的で「子ども・子育て支援新制度」がはじまりました。平成28年には「仕事・子育て両立支援事業」が創設されます。国や自治体の意向としては、はたらきながらの子育てを推進という流れにあり、保育園のみならず幼稚園のほうでも子育て支援事業の協力を求められるようになりました。慈光幼稚園でもグリーン教室や長期休みの預かり、いちご組などで、ご家庭の子育て支援をしてまいりました。
「認定こども園」は『幼児教育・保育を一体的に行う施設、幼稚園と保育所の両方のよさをあわせもっている施設』であるといわれます。しかしながら詳しくは4つの型があり、それぞれ特長がことなります。
4つとは
- 幼保連携型 認定こども園:学校かつ児童福祉施設
- 幼稚園型 認定こども園:学校(幼稚園プラス保育所の機能)
- 保育所型 認定こども園:児童福祉施設(保育所プラス幼稚園の機能)
- 地方裁量型 認定こども園:幼稚園の機能プラス保育所の機能
です。慈光幼稚園が今回移行しますのは、2.の「幼稚園型 認定こども園」です。法的にはあくまで「学校」となります。ですから、幼児教育を行う「幼稚園」であるという本来の姿は変わりませんし、また変えるつもりもありません! 今までの慈光幼稚園の教育方針や日々の保育は、大切な根幹を守りながら続いていきます。まずはその点につきまして、ご安心いただければと思います。
教育内容を変えないのであれば、なぜ新制度にうつるのか、という疑問もおありでしょう。それにつきましては、大きな理由が3つあります。
ひとつは、私立幼稚園運営の現状・慈光幼稚園運営の現状を改善するためです。近年では、先ほど記しましたように、国や自治体の意向として、はたらきながらの子育ての推進という流れにあります。そこではどうしても、新制度施設(こども園)・保育園が重視されるという運営補助の格差問題があります。私立幼稚園では、たとえば職員の処遇改善のための補助が少ない、などという問題があります。慈光幼稚園では、とくに近頃は、教育の質の向上や保育の充実のために教諭・職員を多く配置していますので、運営が厳しくなっているという現実がありました。くわえて設備投資や維持管理費の問題もあり、新制度施設に移行することによりそれらの負担が軽減され、結果的に教育の質の向上と教育設備の充実がのぞめる、ということから新制度移行を検討するようになりました。
ふたつめは、新制度施設の「要件」と慈光幼稚園の現況が合致していたということです。新制度施設の必要条件として、「自園給食」と「預かり保育」というものがあります。これらはふつうの幼稚園には基本的にはないものです。しかし慈光幼稚園は、佐倉市からの要望もあり、子育て支援のための「預かり保育」を充実させてきた実績と信頼があります。また、食育の観点より「自園給食」をすでにはじめていました。つまり、幼稚園でありながら、すでに新制度施設の「要件」を満たしていましたので、市のほうも大変に協力的になってくださって新制度施設への移行がすすめられてきました。また、保護者の方々への子育て支援は本園がずっと大切にしてきて、行ってきたものです。それにはいろいろなかたちがありますが、今の時代では就労支援も大きな位置を占めます。その点からも、就労支援を充実することの可能な新制度移行が選択にはいりました。
みっつめは、これが一番おおきな決め手ですが、「幼稚園型認定こども園」については、「幼稚園(学校)」という性格は変わらず、いままでとおなじ幼児教育を行うことができる、ということがあります。「学校法人」としての独立性や「建学の理念」を保持することができるのです。いくら経営上の理由があるとはいえ、幼稚園の理念や教育内容が変わってしまうのなら、新制度に移行することはできません。しかしながら、「幼稚園型」にすれば、運営上の制度が変わっても、大切な教育は変える必要はありませんでした。何度も勉強会や講習会に足を運び、新制度について勉強をしました。その結果、慈光幼稚園の理念や幼児教育を変えることなく、さらによくできる可能性を見出せましたので、今回の新制度への移行、というはこびとなりました。
まだまだ説明も足りず、不安に思われる保護者のかたもおられるかもしれません。どうぞ、ご遠慮なく、いつでもご質問などなさってくださいね。移行への実際的な事務手続きなどに追われ、いちばん肝心な保護者のかたがたの心によりそったご説明が不足していたかもしれません。子どもたちのために、保護者のかたがたと幼稚園が一体となって頑張らなくてはなりませんから、今後も変わらず手を取り合って大切な子どもたちを育てて参りたいと思います。新制度になっても変わらない慈光幼稚園の教育方針なども、またブログなどでも発信してまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。